2015年11月8日日曜日

福島--ark nova

楽団でお呼ばれして、ルツェルン・フェスティバルin福島2015へ。写真で見るとキノコみたい、と思っていた可動式の劇場は、実際に目にすると生命の発生を思わせる不思議な形の風船でした。福島のお客様に暖かく見守ってもらってワークショップと演奏をしてきました。写真は伶楽舎フェイスブックより転載。


画面右下から上にかけてある濃い色の部分は
ドーナツの穴をドーナツ生地から見た感じです。

終演後。後ろの白いコンテナは宇宙船に入る時の入口のよう。
空気圧調整のため中扉と外扉は必ずどちらかが閉じています。
演奏中になにか騒がしいな、と思ったら、子どもたちが外からこの会場をぼんぼん叩いていたのだとか。子どもが入って遊べるおっきなトランポリンのバルーンみたいな素材でした。子どもだった私がこんなの見たら、絶対ぼんぼんさわります。
お招き下さった皆様、フェスティバルを運営されていた方々、そしてニコニコ聴いてくださったお客様、ありがとうございました。

2015年10月17日土曜日

〈9月〉活動記録、大三島、高橋マナミさんの写真

写真家の高橋マナミさんが撮ってくださった大三島での「雅楽空間」の様子です。



中央で「越天楽」

彫刻とお客様に囲まれて

今度はお客様を囲んで「陪臚」

仁美さんはあっちの方

椅子に座って「死者の書」(石田多朗氏:作曲)

彫刻の姉弟も空を眺めながら聴いてくれました

最後は並んで「陵王」

素晴しいロケーション、暮れゆく空の下での演奏会(2015年9月22日)、つい数日前に記録の写真を頂きました。写真はすべて高橋マナミさんの撮影です。マナミさんのページはこちら。
ありがとうございます。またお会いしましょう!


【追加の写真】こちらも高橋マナミさんの撮影です。
笙の実演販売、ではありません
笙という楽器です
体験コーナー


2015年10月10日土曜日

〈6月〉気仙沼で

今年の学校公演の旅は東北地方と北海道でした。楽団のツアーで東北・北海道を巡るのは初めて。震災から四年が経った気仙沼へも伺いました。

気仙沼の市街地、二階建ての立派な家屋、一階部分が流されて二階部分だけが残った家がまだそのままになっていました。駅から海岸へ降りて行く道すがら、はじめはくるぶしほどの高さに、歩くにつれ膝、腰、肩、ついには頭上にまで「ここまで津波が来ました」という表示がありました。港の側の道路は、6月の時点でまだ車の通る道だけが舗装されていて歩道はただの砂利道でした。足をとられながら歩くと、濃いグレーの外壁の多面体をした素敵な建物がありました。そこはカフェで、すでに楽団のメンバーが移動の後の疲れを癒すべく三々五々、コーヒーや紅茶を飲んでくつろいでいました。地元の親子連れが夕方のひとときを過ごしていました。ノマドワーカーと見られる若い人がPCを広げて仕事をしていました。私は、まだ娘が小さな頃にこんな素敵な空間がうちのそばにあったら通いたいなと思う場所でした。
場所の名前はK-portといいます。俳優の渡辺謙さんが、縁あった気仙沼の復興のためにと建てたそうです。Kは気仙沼のK、渡辺謙のK、他にもなにかあるのかな。ロゴマークはKの文字と灯台を組み合わせたようなデザインでした。
開放感があって、四角くなくて、人と喋らなくても同じ空間に居る安心感があるような場所でした。後から知ったのですが、そこは先日お世話になった伊東建築事務所の伊東豊雄さんの作品でした。流されてなにもなくなった場所に建てられた建築は、灯台のようにこの地を照らしてくれているのかもしれません。

夜は別の場所で、今度は一人でコーヒーを頂いたのですが、駅からほど近いその場所は、昔八百屋さんだったそうです。震災を機に、藤沢あたりから実家へと帰ってきたご主人が経営をされていました。私はそこで、今までで飲んだ中でたぶんいちばん美味しいコーヒーをいただいたと思います。いろんな場所で様々なコーヒーを飲んで、どれも美味しいのですが、ここのコーヒーは素晴らしかったです。少しだけカフェのご主人とお話をしました。この辺りの人たちはみんな、津波で親戚や友達、大切な人たちを亡くしている。街はまだ、外の人たちの手助けが必要だ。けれども四年も経って忘れられつつあるんだ。東京へ帰ったら、このことをみなさんに知らせてください。確かそんなことを言われました。

記憶は変化するものです。6月の記憶はすでにもう変化し始めているかもしれませんが、これ以上変化する前に書き留めておこうと思いました。

〈9月〉北海道、大三島、深川

こんばんは。秋が深まりつつあります。

9月はいろんなところに行きました。楽団の学校公演で北海道へ、「雅楽空間」で愛媛県今治市大三島へ、そして2年前、今回の大三島での公演につながるきっかけを作ってくれた深川そら庵へ。

写真は唯一デジタルカメラを持参した大三島のものばかりです。
素晴しい景色の一端を眺めてください。


古い木造の小学校を改築した民宿 「憩いの家」

TIMAを左に大三島の眺め

TIMAの中より





ハニカムな側面を持つTIMAの外観

コーヒーとカレーを頂いたオミシマコーヒー焙煎所

オミシマコーヒー焙煎所 入口の猪?


北海道ではお招きくださった学校の先生方、楽団のメンバー、マネージメントしてくださるO様、舞台監督のI様に、大三島ではお招きくださった今治市の皆様、岩田健母と子のミュージアムの皆様、伊東豊雄建築塾の皆様、憩いの家の皆様、雅楽空間のメンバーに、深川ではそら庵感謝祭に関わった皆様、一緒に演奏してくださった今西様、岡野様、行川様に、ありがとうございましたをお伝えしたいです。それから、私たちの音楽を聴いてくださった方々も、ありがとうございます!たくさんの人と音楽を共有できること、心より感謝しております。

これからも、どうぞよろしくお願いします!

2015年8月5日水曜日

風変わりな箏、風変わりな笙

8月2日(日)祖師谷大蔵のカフェムリウィで『風変わりな箏、風変わりな笙』というライブをしてきました。

こちらは1ヶ月前に決まった突撃ライブ。
箏と笙、2人でできることを模索しているうちに、盟友石田多朗さんが新曲を書いてくださることになり、「夢」という可愛らしい小品集がやってきました。敬愛する作曲家、藤枝守さんに楽曲をお借りすることができるかお尋ねしたところ快諾してくださって「植物文様第十一集」をお借りすることができました。2年前のライブのために坂野嘉彦さんが書き下してくださった「深川潜水、その後」の再演を快諾してくださり、盛りだくさんの内容になりました。ちょっと盛り込み過ぎたかもしれません。

今西玲子さんのオリジナル曲「秘色の雨」に即興的に笙をつける試みもしました。玲子さんの箏、歌、どちらもとても素敵で、誘われるように笙の音を合わせることができました。オリジナルが創れるって素敵です。飛び入りでダンスをしてくださったいくみさん(漢字を存じ上げず失礼します)のダンスに合わせつつ、玲子さんの箏と歌に誘われつつ、笙を奏しました。箏の音と笙の音は、よく溶合ってムリウィという空間を満たすことができたと思っています。

次は時間をかけてじっくり練って、4曲の組曲の中の2曲を演奏した「植物文様」は全曲を、それから「夢」は増やしてくださるという嬉しい言葉を頂いたので、新しい「夢」を、他にもできることを増やしながらブラッシュ・アップしていこうねと、2人で話しました。

大好きな今西さん、これからもどうぞよろしくお願い致します。
そして皆様、新しいユニットの成長をどうぞ温かく見守ってください。

阪上さん撮影、会場入口より

「秘色の雨」

新しいユニット

「秘色の雨」

左から、リカオさん、日比和子、今西玲子さん、
岡野勇仁さん、石田多朗さん


Special thanks to 藤枝守様、坂野嘉彦様、石田多朗様、岡野勇仁様&hibijirou

2015年8月3日月曜日

雅楽空間

7月26日(日)に、立川にあるロバハウスというそれはそれは素敵な場所をお借りして、「雅楽空間」というイベントをしてきました。この企画、作曲家の石田多朗さんと時間をかけてじっくり練ったものでした。心強い二人のメンバーを得て雅楽の古典曲、それから石田さんの曲を演奏しました。たくさんのお客様に囲まれて和やかな演奏会だったと思います。共演の中村仁美様、伊崎善之様、企画・作曲の石田多朗様、それからいらしてくださったお客様、ありがとうございました。

リハーサル風景
本番、始まりました






自作を語る石田さん
















仁美さんの上にはロバハウスの装飾が
雅楽の管楽器、センターは篳篥です
 






*次回の雅楽空間は愛媛県今治市、大三島にある岩田健母と子のミュージアムで9月22日(火)開催予定です。ちぇきら!




2015年5月6日水曜日

谷中にあるHAGISOというイベントスベースで、ダンサーの伊東歌織さんの公演【顔】に参加させてもらった。
2015年4月27日。
「黒蜥蜴」と「枠」という演目があったのだが、「枠」の方に笙で参加。
石田多朗さんの作った曲を演奏した。

タルコフスキーの映画をイメージした曲に仕上がったみたいだ。
ひたすら静かに。

曲をもらって、楽器を調整したり指使いを覚えたりして本番に臨んだ。
お客様はダンスを見るのだけれども、演奏者は見えない場所から音を出す。
音の出始めとフェードアウトの合図以外はひたすら集中して演奏をしていた。

天井桟敷のような場所からの演奏だったのだが、一階フロアでのダンスの熱か、もしくは隣にあったヒーターの熱気か、とにかく熱がカラダに残った。

新しい曲をもらえるって嬉しい。
新しい作品がうまれる場所に立ち会えたことが嬉しい。

歌織さん、pinpinさん、石田さん、
またお会いしましょう。

2015年3月10日火曜日

一年



気が付けば、ブログの更新を怠って一年が過ぎようとしています。
皆様お元気ですか?

私は2月にすっかり元気をなくしていて、3月に予定していた演奏会を延期してもらうほどでした。啓蟄の少し前くらいから徐々に元気を取り戻して、今度は躁状態にならないよう用心しているところです。人も生物なのだよな、と季節に影響されやすい躁鬱病の周期を体感しながら当たり前のことを考えます。

さて、昨年4月から6月まで行われていた展覧会の音楽以来の更新ですので、それ以降の昨年の活動をお知らせしたく存じます。

楽団の演奏会は変わらず年に2度、
こちらこちらでした。

あとは学校公演事業でこちら南九州地方をめぐり、充実した演奏家活動を送らせていただいております。

楽団以外のお仕事も随分と充実してきました。

NHKの「スコラ」に楽団の一員として出演できたご縁から、地元の子育て広場での演奏のご依頼をいただきました。子育て広場は娘が小さかった頃に利用していた場所で、今年度は娘が保育園に通っていた頃担任をしてくださっていた先生が担当をされるようになり、地域交流会の企画を考えていらしたところ、駅で偶然お会いして、そしてそれがテレビの放映日だったものですから「見てくださいね」と宣伝したら、しっかり見てくださった上でお招きくださいました。
年長さんと、地元の方々(主にご高齢の方と赤ちゃん連れの親子)というお客様の層でしたので、独奏の部分と、一緒に歌う部分と、大人向けのトークを年長さんにもわかりそうな言葉でするコーナーを織り交ぜて、笙一管、装束を着けての演奏でした。なかなか充実し、聴いて下さったお客様にも依頼主の先生方にも満足して頂けたようで、私も嬉しかったです。

それから、トップの写真は群馬県高崎市にある山名八幡宮という神社の狛犬さんです。9月に「月の階(きざはし)」というイベントでの奉納演奏に参加させて頂きました。この神社には御子(みこ)カフェという、子育て中の親御さんに優しいスペースが設けられていましたので、高崎で子育て中の方はいらしてみてください。演奏会は、高崎音楽祭の一環として行われたものでした。

11月末には武蔵野大学千代田サテライト教室「能楽おもしろ対談ーー雅楽演奏家をお迎えして」にお呼ばれして数曲の演奏とトークをしてきました。音楽学出身の私は何を話せばいいのか下調べの段階でとても緊張していたのですが、当日は能楽研究の三浦裕子先生が非常に上手にリードしてくださって、ご好評をいただけたようで安心しました。能の謡の一節に「千秋楽は民を撫で、萬歳楽は命を延ぶ」というくだりがあるそうです。「千秋楽」も「萬歳楽」も雅楽の中ではスタンダードなナンバーですが、萬歳楽が延拍子(のべびょうし)という拍子であるのと掛詞になっていますね、という新発見がありました。能楽の謡と雅楽の関連について、また新しい発見ができたら楽しいと思いました。三浦先生、ありがとうございました。

12月は出身音大作曲科の卒業審査演奏会がありオーケストラと共演をさせていただくことができました。すごいラッキー。雅楽の現代曲のこともよく知っていらっしゃる板倉康明先生指揮の下、講堂の大ホールで演奏するチャンスが巡ってくるとは、なんと嬉しいことだったでしょうか。作曲をされた五十嵐さん、ありがとうございました。わたくしこちらで笙を吹いております。facebookアカウントをお持ちの方よろしかったら見てみてください。板倉先生素敵☆

そんなこんなで、今年もスタートしております。今年最初のお仕事は楽団からの依頼でこちらの2にある板橋の小学校でした。


今日は3月10日、3月はしばらく2月の不調からの回復にあてますが、5月にある楽団の演奏会を目処に、体力を回復していきます。あ、その前にちょっと茨城の神様と、谷中あたりのライブ会場からお呼びがかかったので、そちらにも行ってきます。

今年もよろしくお願いします、と言うには随分と春めいてきてしまいましたが、今年もどうぞ、ゆるゆると見守ってくださいますようお願い申し上げます。

追記:5月、忘れてならぬ水戸芸術館でのイベントもありました。「拡張するファッション展」最終日に行われたイベントCOSMIC WONDER RESTAURANT ”  笙の演奏・パフォーマンスで参加させてもらいました。


左側。緑色の衣装でした