2011年10月29日土曜日

九州地方で

九州地方で、楽団の学校公演まわりをしています。
12公演のうち5公演を終了しました。
今週は主に熊本が多かったのですが、熊本の小学生や中学生は、道ですれ違っただけでもきちんと挨拶をしてくれたり、とても礼儀正しいです。
雅楽と昔話の曲では目をきらきらさせて聴いてくれます。
来週に4公演、再来週に3公演して帰宅します。

九州地方の皆様、しばらくお世話になります。

2011年10月18日火曜日

ひたちのくにで

地元の方が神様や精霊になって神社の境内で舞を奉納する「楽舞(らくまい)」という新しいお祭りに、毎年招いて頂いて楽をします。今年は10月16日(日)にありました。茨城県常陸大宮市の旧美和村、鹿島神社で、宮司さんに祝詞をあげて頂いてからお祭りは始まります。
今年米寿を迎えれられた水神様、今年喜寿を迎えられた花の精、樹木の精霊、可愛らしいカエルの精や鳥の精、アメフラシや雷神様に風神様、様々の神様や精霊の役に扮して舞を舞う、そこに楽の音をつけます。
今年は大きな震災のあった年。宮司様の祝詞に耳を傾けると、鳥居が傾き、石灯籠が一つ壊れたものの、神社の社殿は神様に守られたため、潰れず最小限の被害で済んだ、とのことでした。
今年で5回目のこのお祭り、毎年修学旅行に行くように、楽人3人は上野から旅をします。前日にリハーサルをし、宿でわいわいおしゃべりをし、翌日のお祭りに臨みます。能管、鼓、リコーダー、弥生笛、笙、鈴やクラベス、バード・コール、様々の音を使って舞と合わせます。
舞をする方々は、最初はまわりを気にする余裕、音を聴く余裕がなく、自分のことに精一杯だったのが、今年はきちんとまわりを見回し、しっかり音を聴いてくださり、そして楽しんで伸び伸びと舞っていらっしゃいました。
5年の間には私にも様々なことがありました。遅くに入った音楽大学を卒業し、父を見送り、現在所属する楽団に入舎し、家庭と娘を最小限守り、音楽の仕事を様々頂くようになり、色んなことを手探りでしてきました。
このお祭りは、私が音楽の仕事でやっていける、と思った原点の仕事であったことを思い出しました。
何かに囚われたり、偉ぶったり、無理に社交性を持とうとしたり、しなくていいのかもしれない。ちょっと無理することがあっても、基本的にはゆっくりゆるゆると、するべきことをできるだけの努力をしながら進んで行くことを思った祝5周年の「楽舞」でした。
お祭りを主催されるHさん、無償の力で支えてくれるTさん、ありがとうございます。

また来年も、鹿島神社でお目にかかります。