2014年4月26日土曜日

別品の祈りーー法隆寺金堂壁画ーー

作曲家の石田多朗さんに声をかけて頂いて、『別品の祈りーー法隆寺金堂壁画ーー』という展覧会の音楽に笙で参加させて頂きました。7世紀末頃に描かれた法隆寺金堂壁画は、1949年の火災により一部が焼失しています。その壁画を、現代の様々な技術を用いて、壁画が描かれた当時の姿に近づくよう再現し、投影する、という手法で展覧会は行われているようです。
学生時代、様々のことに興味を持ち、私は学芸員課程を修了しました。その際に美術品の保存や修復に関する基礎概念を学びました。絵画や彫刻は物体であるため時を経ると変化をしてしまいます。それを、今ある技術で、当時の姿に再現する。技術が進むにつれ、その再現を更新する。人がその行いを続けていくことで作品は永遠を手に入れる。そんなふうに永遠を受継いでいくのが学芸員の仕事である、と。
今回私は演奏家としてその展示空間の一旦を担うお仕事をさせて頂きました。空間の中に仏画が投影される、鑑賞を助ける音楽が空間を彩る。まだ見ぬ展示が、一体どんな風になっていて、笙の音はどのようにその空間に影響を与えているのか、調和を助けているのか、楽しみにしてます。
東京藝術大学陳列館という建物で、2014年4月26日から6月22日まで、無料で開催されています(時々休館日があるようですのでリンク先を確認してください)。
わくわくするような試みに参加できた幸運に感謝します。
声をかけてくださった石田さん、本当にありがとうございました。

http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2014/kondou/kondou_ja.htm