2016年10月23日日曜日

10月 大三島 ミュージアムコンサート ShimaJam2016

今年も瀬戸内、しまなみ海道でいちばん大きな島、大三島(おおみしま)にお呼ばれをしました。広島空港から車に乗せてもらい、フェリーを使って愛媛県今治市大三島に到着しました。

一日目はまずは下見。「ShimaJam2016」の特設会場がしつらえられる宮浦港を見て、ふむふむここで演奏するのだな、と仕事の気分を盛り上げました。それからミュージアムコンサートの行われる「岩田健 母と子のミュージアム」に移動してリハーサル。音響の確認と、翌日行われるコンサートの時間帯に音を出す作業をしました。時は満月を二日後に控えた夕刻。リハーサルを終える頃には綺麗なお月様が昇ってきました。

海は広いな大きいな お船で移動

二日目、別の演奏会を済ませて移動してきた龍笛奏者の到着を待って、午前中に三人揃ってミュージアムコンサートのリハーサルをしました。リハの後にはお楽しみ、お昼ごはんを食べに移動。伊東建築塾の皆様が手間暇かけて造ったカフェ「大三島みんなの家」で猪のお肉のカレーと、みんなから「せとくん」と呼ばれている青年の作った素晴しく濃厚でフレッシュなみかんジュースを頂きました。島では蜜柑畑を荒らしてしまう猪を狩猟せざるを得ない状況が数年前から続いており、それならば、皮もお肉も骨の髄まで余さず頂きましょう、ということで、猪のレザークラフト、猪の肉を使った食事、猪骨ラーメンなどを頂くことができるそうです。

大三島みんなの家の看板
予定の黒板
せとくん作のみかんジュース
あんまり美味しくて一瓶購入
コースターは猪革

二日目午後は本番がありました。「憩いの家」の大広間で30分の演奏体験ワークショップを行った後、16時の開演です。この日、ミュージアムは入場無料、私たちのコンサートも無料で聴いてもうらうことができました。オープニングにはふるさとを思わせる曲を、というリクエストに応えて「ふるさと」をシンプルなアレンジで。二曲め、彫刻家の岩田健さんが92歳でお亡くなりになったとの訃報をコンサートの1週間前に受けておりましたため、追悼の意味をこめて、盤渉調(ばんしきちょう)の音取(ねとり)と越天楽(えてんらく)を演奏しました。龍笛のソロ、笙の即興の後に休憩を挟み、第二部は篳篥のソロから。中村仁美さんのエンターティナーぶりが存分に発揮された演奏でした。次は雅楽空間の聴かせドコロ、石田多朗氏の新作「永遠の風景」を演奏しました。そうして最後に、古典曲「胡飲酒(こんじゅ)」を組曲形式で「調子〜序〜破」と演奏して演奏会は終わりました。後半、だんだんに日が暮れてきてお客様が寒くなかったかなあ、ということが心配でしたが、一時間強の時間の中にたっぷりの要素を詰め込んだコンサートになりました。

三日目、午前中にShimaJamのサウンドチェックを終え、午後の出番までの間に、伊豫の國の一宮「大山祇神社(おおやまずみじんじゃ)」で御参りをしました。ここには樹齢三千年の楠があります。お宮の奥の、奥の院まで足を運ぶと、素晴しく美しい楠に出あうことができます。三千年の年月は、楠にとってはいかほどのものなのでしょうか。不思議な気持ちにさせられます。


大きな楠をくぐり抜ける

こんにちは


御参りから楽屋に帰って、とても美味しい塩むすびと焼き鯖のお弁当を頂いて、ShimaJam本番「雅楽空間」はアン・サリーさんの後の出番でした。宮浦港は大山祇神社の参道が海に伸びたような造りになっています。期せずして私たちは神社に向かって雅楽の演奏をすることになりました。できる限りの演奏をしました。この島には立派なお祭りがあるため笛の音に馴染みがあるのか、お宮で雅楽がされるのをよく耳にされているからか、お客様は私たちの演奏を興味深く聴いてくださったようで安心をしました。


出番が終わってほっとして、
出店で買った伊予柑ビールを頂きました

宿泊をさせてもらった「ふるさと憩いの家」は、宗方小学校という古い木造建築を改築した民宿です。非常にアットホームで、スポーツ合宿とおぼしき小学生の集団やサイクリスト、お遍路さんの方々が宿泊しているのを見かけました。三泊させてもらったその晩は、夜中に落雷があったようで、なんと消えていたはずの宿の電気がついたとか(!)恐がりの私は起きていたらぶるぶるしてしまうところでしたが、二日にわたるコンサートを終えた安心で爆睡していて全く気が付かず、よかったです。ShimaJamで「陵王」を演奏したから、雷きたのかなあ、と笛の伊崎くんに言ってみました。

大三島は、空が広くて海は綺麗で、食べ物が美味しくて人々は親切で、あんまりいい場所ですので、できればプライベートでも伺いたいです。移住する人もたくさんいるみたい。どうぞ皆様、しまなみ海道にお立ち寄りの際は、大三島の観光スポットもくまなく巡ってみてください。

憩いの家から徒歩一分、海はすぐそこ

夜中の雷雨の後、ふるさと憩いの家

結びに、私たちを招いてくれた伊東豊雄建築事務所の皆様、ShimaJamスタッフの皆様、大三島の皆様、ワークショップの楽器レンタルをしてくださった武蔵野楽器様、「雅楽空間」企画作曲の石田多朗さん、篳篥の中村仁美さん、龍笛の伊崎善之さん、本当にお世話になりました。


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2016年10月22日土曜日

8月

2016年の8月は11日を終えた時点での演奏記録です。

6日伶楽舎公演「子どものための雅楽 雅楽ってなあに!?」
7日四谷喫茶茶会記「点の記譜法#3」
11日谷中宗林寺「萩フェス2016」

6日は楽団の公演。子ども向けの夏休み企画で、古典管絃、今様、舞楽、新曲「カラ坊風に乗る」等を演奏しました。鉦鼓の担当でした。

7日、喫茶茶会記さんに初めてお邪魔しました。四谷三丁目の駅から少し歩いた住宅街にあります。入口を入るとまずはバーカウンターのある喫茶コーナー、一つ扉を空けるとそこはイベントスペース、もう一つ扉を開けると控室、という奥へ奥へ行きたくなる造りの建物でした。元々音響屋さんの建物だったとかで、非常に気持ちよく音の鳴る環境でした。シタールの田中悠宇吾さんと占星術の落合強さんの共催イベントでした。私も占われました。以前、占い好きの友人から「トリックスター」という言葉をよく聞いたのですが、落合さん曰く、私は「なんでこのタイミング?」というような時に現れてなにか物事を整理をしていく、というような星回りの生まれらしいです。「点の記譜法」というイベントはこれからも続くそうですので、よろしかったら行って占ってみてもらってください。

11日、谷中のHagisoさんの大家さん、宗林寺さん2階の大広間で「萩フェス2016」が行われました。朝の部、昼の部、夕の部の3部制で、今西玲子さんと私の箏笙duoは夕の部参加でした。

と、ここまで書いて様々いそがしくなり、10月の今頃にUPしています。