2019年9月19日木曜日

源氏物語「紅葉賀」と笙演奏


語りと笙の会、満員のお客様と強力なスタッフに恵まれて、無事行うことができました。メールミーティングを重ねていたのですが、実際にお会いしてのミーティングは本番前日でした。山下さんは普段京都にお住まいですし、お忙しい方ですので、やっとお会いできました。おいしいショコラをいただきながら、そして楽しい雑談をしながらのミーティングは緊張しましたが楽しく気持ちのいい時間でした。
当日は最強の協力者である姉にお茶出しをお願いし、姉の友人で画家のSさんにもお手伝いをしていただき、若い友人に所々使うオーディオをお願いし、さらに運搬を義兄にお願いし、と、家族と友達をフル稼働して臨みました。受付をしてくださったI様も、ありがとうございました。
会場であるフレイバーライフ社の社屋は、昨年できたばかりの木造7階建の建築、その建築物が非常に価値あるもので、そのような場所を提供してくださったO様、紹介してくださったM様には感謝の気持ちを何度でもお伝えしたくなるのですが、ストーキングになってはいけませんので心の中でありがとうございますを唱えています。
終わってもう5日も経ってしまった。1つ、人前での演奏を終えて、充実して元気に過ごしています。




山下智子さんをお迎えして

9/14にイベントを開催します。
源氏物語を京ことばで語っていらっしゃる、山下智子さんをお迎えします。

思えば何年前だったか、音大時代の音楽学の先生が、雅楽をしているなら接点があるかもと、下北沢のキッドアイラックホールで行われていた山下さんの語りの会に誘ってくださった。

山下さんの語りは、まず、現代語で、山下さんの言葉での解説から始まる。複雑な人間関係を図にして、登場人物の背景、心情、そんなものをわかりやすい言葉で、深みと軽やかさを併せて解説される。時にお茶目なこの解説で、聴き手はぐぐっと源氏物語の世界に引き込まれる。

休憩のち、中井和子先生、という方の訳した源氏物語の朗読がある。
谷崎潤一郎が源氏物語を訳す時、なぜ京都弁で訳さなかったか、というと、この中井訳があったからだ、という記事を読んだことがある。それほどこの訳は素晴らしく、平安の雅を現代の京ことばに移し換えているらしい。

余談なのだが、昔実家に、谷崎潤一郎訳の源氏物語箱入りが全巻揃っていて、十代半ばの私は好奇心でさわりを読んだ。雨夜の品定め、くらい読んだのだったか。当時は大和和紀さんによる漫画「あさきゆめみし」が流行っていて、源氏物語の世界には比較的早い段階で触れることができた。「なんて素敵にジャパネスク」という少女向けの小説を愛読していて、平安宮中のラブコメディは中学生の頃に馴染んでいた。

さて、山下さんの語りに戻って、解説によってわかりやすくなった筋を追い、今度は京ことばの響きで物語を堪能する。結構、集中力がいるが、演者さんの魅力に引っ張られてぐんぐん聴く。
区切りよく終わる回もあれば、いいところで終わる回もあり、そうすると物語は次、どうなっちゃうのか、と、来週のテレビドラマを楽しみにするように、次の語り会を心待ちにする。
最後、その日の朗読から抜粋で、原文が読まれる。


、、、、すごい、、、、


最初に下北沢の会に伺ってから、ずっと山下さんのご活躍をフェイスブックで拝見し、時に、語りと笙で、コラボしたいですね、など、夢のようにオンライン上の文字でお話しをしていたのですが、、、いよいよ、いよいよ本当に山下さんにいらしてもらいたくなって、勇気を持ってお電話を差し上げました。

こんな日程で、こういった感じで、いらしていただくことはできませんか?と。
できる限りのことしかできないので、失礼がないか心配しながらお便りするたび、品のある、そして親しみもある、優しいメッセージを返してくださって、いよいよ、間も無く当日を迎えます。

雅楽は平安時代の宮廷音楽で、元々は唐や高麗などから渡ってきた外来のイケてるダンスミュージックでした。当然、源氏物語の中にもたくさんの音楽の描写が出てきます。現在の雅楽でも演奏される「青海波」は、若き光源氏の君がライバルである頭中将と二人、帝の御前で舞を披露した場面は、源氏物語の中でも特に有名です。今回のイベントは、「青海波」にフォーカスしてプログラムを組みました。



※上記記事、イベント前に下書きしていましたが、準備でアップが間に合わず、19日に加筆訂正してアップしました※