2021年8月22日日曜日

パンダ

 上野駅の中の本屋さんはとてもお洒落で雑貨も売っている。通りすがりについ、通りすがりとは思われない熱意で品物を見てしまう。駅にいるときは大体特急電車の時間を待つ暇つぶしタイムなので当然お買い物はしないほうがいい。のに、だ、本屋さんがお洒落で素敵で物欲が高まる。安いもの、かさばらないもの、持ってて嬉しいもの、という基準で選んで、1の目がパンダになっているサイコロを購入した。220円。

サイコロをゲットしたその日は栃木と茨城の県境にある鷲子山上神社(とりのこさんしょうじんじゃ)での奉納舞に楽をつけるお仕事のために常磐特急を待っていた。上野駅が好きすぎて常磐特急の時間の40分前に到着して電車待ちがてら駅構内ショップの品物を熱く見ていた。お仕事に行って帰って上野駅に着いてからもまだ欲しかったら買うんだもんね。など思っても、結局ひとつ、サイコロを買って、帰りにもう一度上野駅に寄った時には物欲はすっかり消えていた。

水戸へ着いた。鷲子山上神社までは水戸で待ち合わせしたこのお仕事の主催者である堀さんの車で行く。途中、コロナの折、電車禁止、一人で車で行くなら、という条件付きで家を出してもらっている市川の成実さんを、先泊しているホテルの駐車場で拾う。車はずんずんと街を超え、里山を走り山の中へ。雨がどうなるかな。

2021年4月23日金曜日

西金砂神社

 2021年最初のお仕事は西金砂神社での奉納舞に音楽をつけるお仕事でした。

今年はコロナの影響で、東京での合わせなし、行きの電車も列を分けるという対策を行った上で、まずは水戸へ。舞を指導されている堀さんの運転する車で現場の西金砂神社へ。向かう道はひとつ山を越えて、素晴らしい景色が広がります。

西金砂神社は常陸太田市にあります。七十二年に一度、大きな祭禮を行うとのことなのですが、そのスタート地点の重要な神社です。場当たりを終えて社務所で宮司さんとしばらくお喋りタイムがありました。神社にある笙を見せていただいたところ、それおは大槻装束さんで入手されたものとか。へえ、大槻さんて楽器も扱ってたんですね、私は楽団の装束をそこであつらえたんですよ、娘がそこで働いてるんです、、、、ええっと、たぶんお会いしたことあります、十年以上前にヨーロッパにご一緒しました!!!

びっくりです。今回お仕事させていただく会場の神社の宮司さんの娘さんは、2009年だったか、私が楽団でいまのところ唯一行った海外公演のときの装束師さんとしてツアーについてきてくれた中嶋さんだったのでした。世界は案外狭いです。ふしぎなものだと思いながら、翌日の本番では可愛らしく美しいちびっこダンサーズの演技に音を添え、そして中嶋さんとの再会を果たし、「えっと、伶楽舎の日比です、(離婚したらか名字変わったんですけど)、前にヨーロッパいきましたよね」と、私は若干興奮気味だったのですが中嶋さんは大人の笑顔で応対してくれました。

祭礼は滞りなく、途中CDの音を使うはずのところで器械の音が出なくなってしまったので、なんか音出しましょうかと申し出てとりあえず皇じょうの急らしきものを笙だけで吹いておきました。氏子さんたちが榊を上げるシーンに彩りを加えることができ、なにか満足を得たのでした。神様はときどきおもしろいことをなさいます。

準備した奉納舞が終わって、舞の堀さん、音楽の成実さん、ねこまるさん、私の四人で奥之院まで上がりました。神社、山すぎて奉納舞を本当は堀さんはここでしたいのですが人が集まるのが困難な高さと傾斜のため、準備していない舞を神様に捧げていました。成実さんの笛、執行さんの鼓、私の笙、堀さんの舞。山登りと御参りに来ている他の人たちは何事かとびっくりしたと思います。

山を降りて神社の下の鳥居の前で、いただいた豪華お弁当を確かなソーシャルディスタンスを取った屋外でいただきました。樹齢八百年の杉の木とイチョウの木に見守られながら、大変おいしいお弁当をいただいて、堀さんの樹の話を聴いて、また会いましょうねと言いあいました。

2020年10月2日金曜日

10月

 今年は1日が中秋の名月、SNSを見ているといろんな人がお月見を楽しんでいました。

さて、今年一番の大勝負が無事終了致しました。


「源氏物語ー語りと雅楽で楽しむ平安絵巻ー」

2020年9月22日(火・祝)

武蔵村山市民会館小ホールにて



昨年に引続き山下智子さんとご一緒することができました。

笙一管では不安が大きく、笛の応援をお願いしました。

市民会館から個人契約で依頼を受けたのは初めてだったため、担当の廣田様には随分とお世話になりました。企画の実現のために取るべきコミュニケーションのいろんなところを上手に進めてくださって、どこかで目にした作家と編集者の関係みたいになっていたように思います。この公演の功労者は、出演者はもちろん、多くは市民会館の廣田さんなのでした。

ご縁をくださった井上ツヤ子先生にも、舞台スタッフの皆様にも、そしてたくさんお友達を連れてきてくれた母にも、感謝申し上げます。あ、送り迎えしてくれた姉にも感謝。

私の功績は、素晴らしい2人の共演者を呼んできたことと、舞台に立てたこと。

友利先生、出会いとお花をありがとうございました。

最近流行りの感染症の影響での延期を経て、9月22日にいよいよ公演。ギリギリまで、席数を減らさなければならなかったのが、19日の解禁を受けてお席を増やすことができました。駆け込みで沢山のご予約をいただけました。感染症対策で前3列はクローズ、その他ディスタンスあり、ですが、開けたお席に満席のお客様に囲まれて!久しぶりに舞台を踏みました。相変わらず、「遠足は楽しみすぎてもう前の日に草臥れちゃう」性格のために、本番前にはそろそろ寝ちゃいたい衝動に駆られながらも、目の下のクマをコンシーラーで隠して出て行きました。

台本を追って音楽が入る、その間をはかる集中力がいるのですが、そういえば昔にオーケストラでトランペットしてた時はまだ小学生だったこともあって、生真面目に指折り休符の小節を数えて指揮者の合図を待ったよなあ。ということを思い出しました。指揮者のいないアンサンブルは相変わらず苦手で待つことができなくて、ちょっとカッコ悪かったところもあるのですが、概ねよくできたと自分を労うことに致します。

2020年9月9日水曜日

暑いですね

 今年の夏も暑いですね。

今年は1月に虫垂炎、3月に虫垂切除、6月に盲腸膿瘍、と、お腹がらみの病気でなんと3回も入院して健康のありがたみを実感しております。全部の入院にもれなく絶食がついていて辛かったです。ご飯が食べられるってシアワセ!

さて、お仕事を減らしていたところなのですが、コロナにも負けず、また公演をさせていただけることになりました。当初4月29日の予定だったのですが、9月22日(火・祝・秋分の日)の開催が、今のところできる予定です。


小ホールでの公演ですため、席数285を半分に減らしての公演です。

武蔵村山市は陸の孤島、電車の駅がありません。それが今回はいい方に働いてくれたようで、9月の公演が叶うようです。

昨年に引き続き山下智子さんが京ことばで語る「源氏物語」に、笙と、そして素晴らしい龍笛奏者、伊崎善之さんをお迎えしての舞台です。

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と、8月22日に下書きしてありました。

2020年5月31日日曜日

更新

googleアカウントからログインできなかったのでずっと更新ができなかったのですが、別のルートで閲覧したら、既にログインになっていました。不思議。
人の助けを借りながら、生きてます。

2019年11月11日月曜日

沼津

11月7日は沼津でお仕事でした。
前回に引き続き、有名な方の公演、古典部門で越天楽と陪臚の笙の役をお預かりしました。二管通り、つまり、龍笛、篳篥、笙各二人だったのですが、なんと!笙は秀樹様のお母様、九十九(つくも)様とご一緒させていただきました。MCで、お母様のご紹介もされて、御歳88歳と伺ってびっくり仰天しました。とても溌剌とれていて御歳のことは感じられなかったのですが、よくよく考えたら先日「秀樹、還暦」というギャグを秀樹様のフェイスブックで見たばかりだったので、そうだよなあ、と思いました。お姉様の雅美様も笛を吹いていらして、そして御子息のちっちさんも舞を舞い、ピアノをされて、ファミリーで多彩な方々でした。

コンサートに友達が来てくれたので、ついでに私は一泊沼津を楽しみました。沼津港で遊覧船に乗り、コンサート会場だった御用邸記念公園を海から見たり、船上で鳥にカッパえびせんををやったり、水門に登って富士山や釣り人を眺めたり、市場でヒイラギというお魚の唐揚げを食べたり、沼津港観光を堪能しました。



船上から鴎と鳶

水門から釣り人

説明を追加


2019年10月11日金曜日

立川のカフェ

友人がカフェを作った。
笛を吹く友人。
雅楽会で10年前に一緒の演奏会に出て、その時に年齢や地元が近い話で盛り上がった。
それからほんの時々練習会で顔を合わせるくらいだったのが、2-3年前から急に遊んだり、練習会をするようになった。その間に友人の身の回りにも色々変化があったのだけれども、その変化の合間に着々と、「雅楽を身近楽しめる」というコンセプトのイベント開催時だけオープンするサロンのようなものを開いた。
私はオープンの記念のワークショップにお花を持って伺った。
ついでに自分もイベントを企画して、昨年は9月に笙のミニライブを開かせてもらった。



チラシ


ソロ演奏

琵琶とDUO

今年、令和元年5月には、笙と龍笛を体験できるイベントを開きました。
9月には語りの方をお招きする予定です。

立川駅から徒歩5分の雅楽サロン「すりーだっくす」は、ゆるりと営業を始めています。お客様が20人入るといっぱいになる小さな空間ですが、その分、手が届くくらい間近に音を聴いてもらうことができます。 

またゆっくり時々イベントをします。
ご興味とご予定が合ったら、ぜひいらしてください。

すりーだっくすの店主ブログはこちら。

有名な方の公演に

有名な方の公演に参加できた。
雅楽といえば東儀秀樹さんの名を知らない人はあんまりいない。
先日天国に行ってしまわれた芝祐靖先生を私は神様と思っているのだが、先生が人間から神様に昇格されたと思ってもうお会いできないのを悲しく思っていたら、なんだか急に今度は現世でとっても有名な方から演奏のご依頼をいただき、もしかしたら雅楽の神様は私を見捨てないでくれていたのかもしれない、など、本気で大袈裟に思ったりする。もちろん、それまでには地道にずっとやってきたことがあって、それを支えてくれる人たちがいて、先人の遺してくれた素晴らしい音楽があって、私がいろんな駄目を発揮しても、どこかで拾ってくれる人たちがいて、そんで大きな舞台につながった。そのうしろがわには、海外で公演しなければならなくて留守にする先輩が居たから、という背景もある。
いろんな偶然と必然と幸運に囲まれて、今日もなんとかいきてます!


衣装

本番

2019年9月19日木曜日

源氏物語「紅葉賀」と笙演奏


語りと笙の会、満員のお客様と強力なスタッフに恵まれて、無事行うことができました。メールミーティングを重ねていたのですが、実際にお会いしてのミーティングは本番前日でした。山下さんは普段京都にお住まいですし、お忙しい方ですので、やっとお会いできました。おいしいショコラをいただきながら、そして楽しい雑談をしながらのミーティングは緊張しましたが楽しく気持ちのいい時間でした。
当日は最強の協力者である姉にお茶出しをお願いし、姉の友人で画家のSさんにもお手伝いをしていただき、若い友人に所々使うオーディオをお願いし、さらに運搬を義兄にお願いし、と、家族と友達をフル稼働して臨みました。受付をしてくださったI様も、ありがとうございました。
会場であるフレイバーライフ社の社屋は、昨年できたばかりの木造7階建の建築、その建築物が非常に価値あるもので、そのような場所を提供してくださったO様、紹介してくださったM様には感謝の気持ちを何度でもお伝えしたくなるのですが、ストーキングになってはいけませんので心の中でありがとうございますを唱えています。
終わってもう5日も経ってしまった。1つ、人前での演奏を終えて、充実して元気に過ごしています。




山下智子さんをお迎えして

9/14にイベントを開催します。
源氏物語を京ことばで語っていらっしゃる、山下智子さんをお迎えします。

思えば何年前だったか、音大時代の音楽学の先生が、雅楽をしているなら接点があるかもと、下北沢のキッドアイラックホールで行われていた山下さんの語りの会に誘ってくださった。

山下さんの語りは、まず、現代語で、山下さんの言葉での解説から始まる。複雑な人間関係を図にして、登場人物の背景、心情、そんなものをわかりやすい言葉で、深みと軽やかさを併せて解説される。時にお茶目なこの解説で、聴き手はぐぐっと源氏物語の世界に引き込まれる。

休憩のち、中井和子先生、という方の訳した源氏物語の朗読がある。
谷崎潤一郎が源氏物語を訳す時、なぜ京都弁で訳さなかったか、というと、この中井訳があったからだ、という記事を読んだことがある。それほどこの訳は素晴らしく、平安の雅を現代の京ことばに移し換えているらしい。

余談なのだが、昔実家に、谷崎潤一郎訳の源氏物語箱入りが全巻揃っていて、十代半ばの私は好奇心でさわりを読んだ。雨夜の品定め、くらい読んだのだったか。当時は大和和紀さんによる漫画「あさきゆめみし」が流行っていて、源氏物語の世界には比較的早い段階で触れることができた。「なんて素敵にジャパネスク」という少女向けの小説を愛読していて、平安宮中のラブコメディは中学生の頃に馴染んでいた。

さて、山下さんの語りに戻って、解説によってわかりやすくなった筋を追い、今度は京ことばの響きで物語を堪能する。結構、集中力がいるが、演者さんの魅力に引っ張られてぐんぐん聴く。
区切りよく終わる回もあれば、いいところで終わる回もあり、そうすると物語は次、どうなっちゃうのか、と、来週のテレビドラマを楽しみにするように、次の語り会を心待ちにする。
最後、その日の朗読から抜粋で、原文が読まれる。


、、、、すごい、、、、


最初に下北沢の会に伺ってから、ずっと山下さんのご活躍をフェイスブックで拝見し、時に、語りと笙で、コラボしたいですね、など、夢のようにオンライン上の文字でお話しをしていたのですが、、、いよいよ、いよいよ本当に山下さんにいらしてもらいたくなって、勇気を持ってお電話を差し上げました。

こんな日程で、こういった感じで、いらしていただくことはできませんか?と。
できる限りのことしかできないので、失礼がないか心配しながらお便りするたび、品のある、そして親しみもある、優しいメッセージを返してくださって、いよいよ、間も無く当日を迎えます。

雅楽は平安時代の宮廷音楽で、元々は唐や高麗などから渡ってきた外来のイケてるダンスミュージックでした。当然、源氏物語の中にもたくさんの音楽の描写が出てきます。現在の雅楽でも演奏される「青海波」は、若き光源氏の君がライバルである頭中将と二人、帝の御前で舞を披露した場面は、源氏物語の中でも特に有名です。今回のイベントは、「青海波」にフォーカスしてプログラムを組みました。



※上記記事、イベント前に下書きしていましたが、準備でアップが間に合わず、19日に加筆訂正してアップしました※