2019年10月11日金曜日

有名な方の公演に

有名な方の公演に参加できた。
雅楽といえば東儀秀樹さんの名を知らない人はあんまりいない。
先日天国に行ってしまわれた芝祐靖先生を私は神様と思っているのだが、先生が人間から神様に昇格されたと思ってもうお会いできないのを悲しく思っていたら、なんだか急に今度は現世でとっても有名な方から演奏のご依頼をいただき、もしかしたら雅楽の神様は私を見捨てないでくれていたのかもしれない、など、本気で大袈裟に思ったりする。もちろん、それまでには地道にずっとやってきたことがあって、それを支えてくれる人たちがいて、先人の遺してくれた素晴らしい音楽があって、私がいろんな駄目を発揮しても、どこかで拾ってくれる人たちがいて、そんで大きな舞台につながった。そのうしろがわには、海外で公演しなければならなくて留守にする先輩が居たから、という背景もある。
いろんな偶然と必然と幸運に囲まれて、今日もなんとかいきてます!


衣装

本番

2019年9月19日木曜日

源氏物語「紅葉賀」と笙演奏


語りと笙の会、満員のお客様と強力なスタッフに恵まれて、無事行うことができました。メールミーティングを重ねていたのですが、実際にお会いしてのミーティングは本番前日でした。山下さんは普段京都にお住まいですし、お忙しい方ですので、やっとお会いできました。おいしいショコラをいただきながら、そして楽しい雑談をしながらのミーティングは緊張しましたが楽しく気持ちのいい時間でした。
当日は最強の協力者である姉にお茶出しをお願いし、姉の友人で画家のSさんにもお手伝いをしていただき、若い友人に所々使うオーディオをお願いし、さらに運搬を義兄にお願いし、と、家族と友達をフル稼働して臨みました。受付をしてくださったI様も、ありがとうございました。
会場であるフレイバーライフ社の社屋は、昨年できたばかりの木造7階建の建築、その建築物が非常に価値あるもので、そのような場所を提供してくださったO様、紹介してくださったM様には感謝の気持ちを何度でもお伝えしたくなるのですが、ストーキングになってはいけませんので心の中でありがとうございますを唱えています。
終わってもう5日も経ってしまった。1つ、人前での演奏を終えて、充実して元気に過ごしています。




山下智子さんをお迎えして

9/14にイベントを開催します。
源氏物語を京ことばで語っていらっしゃる、山下智子さんをお迎えします。

思えば何年前だったか、音大時代の音楽学の先生が、雅楽をしているなら接点があるかもと、下北沢のキッドアイラックホールで行われていた山下さんの語りの会に誘ってくださった。

山下さんの語りは、まず、現代語で、山下さんの言葉での解説から始まる。複雑な人間関係を図にして、登場人物の背景、心情、そんなものをわかりやすい言葉で、深みと軽やかさを併せて解説される。時にお茶目なこの解説で、聴き手はぐぐっと源氏物語の世界に引き込まれる。

休憩のち、中井和子先生、という方の訳した源氏物語の朗読がある。
谷崎潤一郎が源氏物語を訳す時、なぜ京都弁で訳さなかったか、というと、この中井訳があったからだ、という記事を読んだことがある。それほどこの訳は素晴らしく、平安の雅を現代の京ことばに移し換えているらしい。

余談なのだが、昔実家に、谷崎潤一郎訳の源氏物語箱入りが全巻揃っていて、十代半ばの私は好奇心でさわりを読んだ。雨夜の品定め、くらい読んだのだったか。当時は大和和紀さんによる漫画「あさきゆめみし」が流行っていて、源氏物語の世界には比較的早い段階で触れることができた。「なんて素敵にジャパネスク」という少女向けの小説を愛読していて、平安宮中のラブコメディは中学生の頃に馴染んでいた。

さて、山下さんの語りに戻って、解説によってわかりやすくなった筋を追い、今度は京ことばの響きで物語を堪能する。結構、集中力がいるが、演者さんの魅力に引っ張られてぐんぐん聴く。
区切りよく終わる回もあれば、いいところで終わる回もあり、そうすると物語は次、どうなっちゃうのか、と、来週のテレビドラマを楽しみにするように、次の語り会を心待ちにする。
最後、その日の朗読から抜粋で、原文が読まれる。


、、、、すごい、、、、


最初に下北沢の会に伺ってから、ずっと山下さんのご活躍をフェイスブックで拝見し、時に、語りと笙で、コラボしたいですね、など、夢のようにオンライン上の文字でお話しをしていたのですが、、、いよいよ、いよいよ本当に山下さんにいらしてもらいたくなって、勇気を持ってお電話を差し上げました。

こんな日程で、こういった感じで、いらしていただくことはできませんか?と。
できる限りのことしかできないので、失礼がないか心配しながらお便りするたび、品のある、そして親しみもある、優しいメッセージを返してくださって、いよいよ、間も無く当日を迎えます。

雅楽は平安時代の宮廷音楽で、元々は唐や高麗などから渡ってきた外来のイケてるダンスミュージックでした。当然、源氏物語の中にもたくさんの音楽の描写が出てきます。現在の雅楽でも演奏される「青海波」は、若き光源氏の君がライバルである頭中将と二人、帝の御前で舞を披露した場面は、源氏物語の中でも特に有名です。今回のイベントは、「青海波」にフォーカスしてプログラムを組みました。



※上記記事、イベント前に下書きしていましたが、準備でアップが間に合わず、19日に加筆訂正してアップしました※

2019年2月12日火曜日

新しい年

2/5〜19が今年の春節祭だそうです。
新年快楽!

プライベートでは昨年離婚をして妻と母の役割を降りました。
お仕事を休んでいたつもりが何度か演奏の依頼があり、できることをできる限りしました。今年も早々に演奏依頼があり、仲間の協力を得て演奏させていただけることになりました。

10年、大学を卒業してから、様々な草鞋を履き替えながら、演奏をしてきました。
18年、娘を生んでから昨年まで、楽しい家族でした。(終わりの方は荒れちゃったけど。娘ごめんね。)

もちろん、不安など笑って飛ばさない限り湧いてきます。
たくさん笑って、笑って、笑って。

笑顔で、今年もよろしくお願いいたします。

2018年10月9日火曜日

熱海

2018年10月5日、熱海で演奏をさせていただきました。
熱海の観光を盛り上げようという企画、熱海芸術祭2018の一環に、Duoというテーマで日替わりで8組の奏者による30分のコンサートが企画されました。
私は龍笛の伊崎善之さんにお声掛けいただき、龍笛と笙のduoで出演しました。

越天楽
胡飲酒序
長慶子
熱海(この日のためのオリジナル曲)
アメイジング・グレース

笙と笛のduoでは、普段篳篥の壁に消されてしまいがちな笛の音たちがよく聞こえ、特に胡飲酒序は三管の合奏とは一味違った味わいで、演奏していて楽しかったです。伊崎さんが旋律を創った熱海と名付けた曲には、笛の古典的奏法が存分に凝らされていて、私は古典の合竹をベースに伴奏したのですが、笙をつけることによって師である芝祐靖先生の影響を深く受けた旋律線がよりくっきりと浮かび上がり、それも面白いことと思いました。

お招きくださった熱海市芸術祭実行委員の皆様、企画・制作をされたオペラ季節館の皆様、プロデューサーの伊勢谷宣仁様、龍笛の伊崎善之様、そして雨の中聴いてくださったお客様、皆様ありがとうございました。


熱海芸術祭2018
https://www.ataminews.gr.jp/ad/201810artatami/

https://www.facebook.com/100002664361628/posts/1740404372725025/

2018年10月1日月曜日

小名木川物語

音で少しだけ参加させてもらった「小名木川物語」を鑑賞に新橋まで。主演の徳久ウィリアム幸太郎さんと、ものすごく久しぶりにお会いして、髪の色以外なんにも変わらない感じがして可笑しかったです。

映画は、一生懸命追わなければならないような難しい筋はなく、だからといってドラマがない訳でなく、美しい小名木川周辺の映像があり、そこに根差した人々が時に本人役で登場したり、祭や日々の生活の風景が登場するドキュメンタリーの要素があり、地域の、時代の史料としても価値のあるものだと思いました。

音楽を担当された岡野勇仁さんの音楽は、登場する音風景と、人物の心象とを上手にスライドさせながら溶け合う素晴らしいものでした。

2つの印象的なシーンで、笙の音が流れて嬉しかったです。一緒に録音した箏の音がまた素晴らしく映像と合っていて、今西紅雪(玲子)さんの持つ力を感じました。また、別の場面でたくさん登場する行川さをりさんの声も格別でした。そこここに登場するクラリネットの音も印象的だったなあ。

光栄にも、映画のあとのトークショーの際にプロデューサーである故・東海 亮樹さんの奥様で、この映画に大変御尽力されている東海明子さんが私のことも紹介してくださって、ちゃっかり大西監督と写真を撮っていただくことができました。

またこれからも上映の機会があるそうですので、皆様ぜひ、この美しいローカルムービーをご覧になりに、お運びください。

映画のあと、大西みつぐ監督とウィリアムさんのトークショーの間中、プロデューサーの東海さんがスクリーンの前で満面の笑みを浮かべている姿が見えたように感じました。

小名木川物語公式サイト
http://onagigawa.com/

今日の上映会のこと
https://www.facebook.com/1386344454948962/posts/2112898378960229/

大西さんと撮ってもらった写真
https://www.facebook.com/100002664361628/posts/1733523563413106/

2018年5月3日木曜日

ブルーノート

今日は初めてブルーノートというジャズを聴かせる店の昼公演に行ってみた。夫が一昨日通勤中にラジオを聴いていたら、アルパという南米のハープをするらしいことを聞きつけて、ゴールデンウィーク唯一一緒の休みだからと誘ってくれた。アルパ、ドラム、ソプラノサックスのトリオだった。本当はヴォーカルも来日する予定だったけど来られなかったんだって。若いドラム奏者はずっとアルパ奏者をガン見していて、自分の出番の合図を待っていた。途中お茶目にクラッピングを聴かせてくれた。アルパ奏者はアルパをいろんな奏法で弾いたり少しトークする他に、シャカシャカとラトルのような楽器を鳴らしたり芸達者だった。アルパのソロは優しかったり深かったり、多彩な響きを聴かせてくれた。アルパは弦が多いから、1人で低音も高音も担当できる上に、胴を打つと打楽器にもなって便利な楽器だと思った。飛行機に乗せるのは大変そうだけど。今日の公演はブルーノート3daysの3日目で、2ステージ入れ替えの1回目だった。2ステージ目があるのに、拍手に応えてアンコールで枯葉モチーフの曲をたっぷりと聴かせてくれた。クールに見えた若いサックス奏者はアンコール曲を随分盛り上げてくれた。

小屋というには大変立派な建物を出ると、赤い夕闇の中に薄いブルーの空が覗いてた。


アルパ:Edmar Castaneda
サックス:Shlomi Cohen
ドラム:Rodrigo Villalon

2018年3月27日火曜日

人生は40歳になってからが面白い説

何歳になっても唱えられるまじないのようである。なくなるのは若さばかり、あとは経験値が上がって羞恥心が減って、自由になるお金と不自由なお金の区別がついて、大変楽しい。
恵まれているのかもしれない。確かに、食う寝るところに住むところに困っていない。ごはんを食べさせてくれる夫がいて、たいへん可愛らしい娘ももう手間はかからない年齢になった。仕事も今はある。ない時もあるけど。

音楽に対する意欲と過剰な美意識で、怖くなって遠のいた。一年。考えたり暮らしたり暴れたり酒呑んだり。結果、音楽は私にとっては美しくて面白くて怖い友達なのだということ。人格はないけれども、それは人付き合いに似ていて、子を育てるように慈しみ、友と語るように朗らかに、誰かを愛するように親密に、時に嫌悪して逃げ回って結果、逃げ切れないことが判明した。

自転車に乗ることに例えることがあるのだけれども、獲得した技能というものは忘れない。忘れたと思っていてもやってるうちに思い出す。

楽団の演奏会にまた出演させてもらうことになりました。笙という楽器は大変美しく、繊細であるため手間がかかります。手間をかけすぎて精神を病むことが起こりやすい楽器です。ですがそれほどに美しいので、いつか聴いてください。

2017年8月24日木曜日

3月、伊那

3月、なつかしい伊那で演奏会がありました。旧井澤家住宅に雅楽の音色を響かせました。伊那に招いていただく度に、私は16歳の頃お世話になった伊那のお母さんに会いに行きます。今年はちょうどお母さんの75歳のお誕生日と訪問が重なったため、笙を鳴らしてお祝いをしました。朝起きて、一緒にイーネという名前のわんことお母さんと、伊那谷の畑や牧場の間を散歩しながらこの土地を開墾して豊かにした人々の話を聞きました。朝鮮半島から奴隷のように連れてこられて労働をさせられた人たちがいるのだけれども、歴史のどこにも遺されていなくて、勉強していないと忘れ去られてしまうことを教えてもらいました。前の日、演奏会が終わった後はお母さんの長女、高遠に住むかおるちゃんの家に泊めてもらいました。かおるちゃんは山暮らしをしていて、男の子を二人育てていて、大工の旦那さんがいて、そして電磁波過敏症であるために電波のない土地を探してそこで暮らしています。自然の美味しい食べ物、添加物の少ないもの、手間をかけた素朴な食べ物、人工的な刺激の少ない、豊かな自然により近い生活。かおるちゃんを見ると、生き物としての人の正しい生き方について考えずにはいられません。そこには強い知性があって、美しいです。都市とその近郊に暮らす私とは随分違う暮らし方なのですが、力強くしなやかに生きていて、素敵だな、と素直に感心してしまいます。
かおるちゃん、伊那のお母さん、また会いに行きます。今年は会えなかったけど、妹のみちるちゃんにも、次は会えますように!

2017年5月19日金曜日

2017年前半

今年のコンサートは楽団の公演からスタートしました。1月9日(月・祝)札幌のキタラホールにて、昼公演で鉦鼓、夜公演で笙の役をあずかりました。昨年末に体調を崩したため様々に心残りはあるのですが、楽団の一員として働くことができました。
18日、文化庁の事業で東大和市の中学校に行きました。生徒さんの前で越天楽を演奏した他に、唱歌を歌ってもらったり管楽器を体験してもらったり、雅楽のお稽古の導入部分を感じてもらいました。
2月5日、しのばず雅楽会さんの公演を聴きに行きました。しのばず雅楽会は東京藝大雅楽科出身の有志の集まりとのこと、これからの民間の雅楽を担っていく人たちの素晴らしい演奏を見ることができました。19日、箏奏者スコット・ジョーダンさんの呼びかけで「邦楽即興企画」がありました。声、息、弦、舞踏、4つのグループに分かれて即興演奏をしました。尺八の小濱明人さん、alive paintingの中山晃子さんと息の組でご一緒しました。尺八の音に音楽の進行を委ねて、paintの中山さんの描く絵と笙の音とが一緒になって、絵空箱という空間・時間をシェアすることができました。20日、国分寺市の並木公民館にお招きいただき、「世界の音楽を知る」という講座の1回目「笙の世界〜日本とアジアの民俗音楽」で笙の紹介をしました。国立音楽大学附属楽器学資料館館長であり、私が大学時代にとてもお世話になった(広義の)音楽学の恩師である横井雅子先生が、世界の様々な笙を紹介する講義の中で、古典の調子と現代音楽を演奏しました。
3月5日、長野県伊那市での演奏がありました。(つづく